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住宅換気コラム第16回 冬暖かくて夏は涼しい、結露がなくて空気がきれいな家をつくりませんか

日本輸入換気システム連盟の会員会社が住宅の換気システムを販売し始めて、30年を超えました。この間に何が進歩し、なにが後退したでしょうか? 何といっても、住宅に機械換気システムを設置する法律ができたことが大きな変化です。2003年のことでした。


〈2003年は「世界にひとつだけの花」が210万枚セールスの大ヒットとなった〉

 

1.シックハウス対策から換気義務化

この法律の背景は、シックハウス症候群という病気が1990年代から2000年初めにかけて、新築住宅に住むことにより発症することが分かったことです。

その当時、住宅建築に使われる合板(ベニヤ)、クロス(壁紙)、建材の接着剤等などに含まれる揮発性有機化合物の量が規制されてなかったため、住宅の完成引き渡し後、室内温度が上昇してくる春から夏になると建材に含まれていた化学物質が室内に発散してきて、室内空気汚染を発生させていたのです。

 
〈2003年の法改正概要.住まいの情報発信局サイトから〉

新築住宅に使用する建材に含まれる揮発性有機化合物を規制し、機械換気の設置を義務化する建築基準法の改正が2003年に行われました。
その結果どうなったでしょうか?
建材に含まれる揮発性有機化合物は劇的に減りました。住宅換気の業界では、機械換気設備の出荷が大幅に増えました。増えたのは一番安い壁掛け換気扇。市場のおよそ9割を占有することになってしまいました。機械換気設備の義務化は、住宅換気に無関心な工務店・住宅メーカーにとって価格上昇の要因でしかなく、このため法律が要求する最低限の対応を行うことが普通になったのです。

2.大切なのは空気の良さと、暑さ寒さのない環境

隙間(すきま)だらけで、隙間換気が多少は期待できる住宅を造っている会社が、高価な機械換気システムを採用する理由は無いわけです。安い建売分譲の住宅に安い機械換気設備が使われるのは、自然と言えば自然です。と言っても住宅価格に占める換気設置費は総額の1%を少し超える程度!
一方、私たちは『冬暖かくて夏は涼しい、結露がなくて空気がいつもきれいな住宅が、これからの日本に必要とされている』と30年前から主張しています。難しい言葉になりますが、『室内温熱環境』を総合的に高めれば、消費者はその違いを感じることができます。「こんなに素晴らしい家があったのか」と驚き、感動するオーナーさまを何百人とみてきました。
「冬暖かくて夏は涼しい、結露がなくて空気がいつもきれいな家をつくりませんか」
これが日本輸入換気システム連盟からのメッセージです。


〈低価格より何10年も使う設備の信頼性が大切.写真は排気グリルに付着したゴミ〉

機械換気設備メーカーは、性能よりも価格競争に巻き込まれていきました。しかし、日本輸入換気システム連盟はそういった競争に参加することはありません。よりよい住宅環境をつくるための競争が、住宅産業に関わる企業に求められていると考えているからです。

新築住宅購入者の優先順位は、すてきなデザインとコストパフォーマンスが良く、「駅近」で便利な場所ですが、これからの家探しと家づくりに『室内温熱環境』も加えてください。購入者が希望すれば、供給する住宅メーカー・不動産業者も変わっていくのです。

3.現在の家にも潜むシックハウス症候群のリスク

 


〈旭川医科大学・西條泰明教授は、札幌市内で開かれた講演の中で、気密住宅の室内で開放型ストーブを使うと、燃焼時にVOC濃度とともに二酸化窒素濃度も上昇し、シックハウスや気管支炎の原因になりかねないと指摘している〉

シックハウス症候群とは、新築住宅に住んだ人が、頭痛、めまい、吐き気、などの症状を発症することです。ポイントは、住宅を離れると症状がなくなること。
病院で受診しても複数の症状が出るため、原因を特定できませんでした。その原因が住宅内部の空気環境に起因しているとは、当時、誰もがわかりませんでした。

シックハウス症候群は、一度発症すると風邪のように時間がたてば治るという病気ではありません。発熱のように頓服を飲むと熱が下がる病気とは異なります。
個人差もありますが、一度発症すると完全に治ることが難しく、治まることも無い。長い期間にわたって化学物質に被ばくし続け、体内に蓄積されたことで症状が発症するためです。発症するまで気づかず、発症したら元の状態に回復するのが難しく、化学物質に被ばくする場所に来ると必ず発症してしまうのです。自分が今どの位化学物質が体内に蓄積されているかのレベルは誰もわかりません。生まれてからの環境、親からの遺伝、食べ物、住宅室内空気環境などの複雑な因子が絡み合っています。その結果、ある時突然に発症するのです。シックハウス症候群は、偶然新築住宅に引っ越した時に、新築住宅に存在する化学物質がトリガーとなって発症すると考えられています。

人生の3分の1を過ごす住宅(自宅)の空気環境は、暖房器具、機械換気設備、住宅の断熱・気密性能が充分でないことなどにより発生する結露が原因で、カビが生え、カビを餌にダニが発生し、ダニの死骸を吸った子供やお年寄りが呼吸器関係の病気(呼吸器系の病気でカビが原因と思われる急性アルベルギルス肺炎など)を発症するというメカニズムがわかってきました。
最近は、花粉時以外にも、外でマスクをしている人を、よく見かけます。その人たちは、家の中でもマスクしているのでしょうか?
PM2.5、黄砂、花粉などの室内侵入を完全に防ぐことは不可能です。体に付着、ドア、窓の開け閉めの時、洗濯物に付着して室内に侵入する過程を止めることはできません。

住宅内部に侵入したアレルギー物質を、室内に滞留させることなく速やかに排出する換気設備が必要です。室内の空気が流れにくい(滞留)場所で起こる、結露やカビ(空気の滞留によってカビの生えやすい温度、湿度環境)を防ぐために性能の良い住宅換気設備が必要です。もし、機械換気設備の性能が悪かったら、外より、家の中でマスクをした方が良いのかもしれませんね。住宅の空気環境を良好に保つことにより、家族の安心、安全、健康が守られ、結露、カビによる住宅の構造体の劣化を防ぐこともできます。

4.安心の換気設備とは、正しい設計と事後確認(実測)


〈換気風量測定器〉

換気設備の設置義務化により、住宅に設置された換気設備の性能は、メーカーが用意したカタログ値をもとに計算され、建築確認申請時に提出されます。住宅に設置された後の換気量測定(実測)は義務付けられていません。施工後、ダクトの長さ、曲がりなどが、机上設計時より多くなったとしても、換気量が減少していると疑われたとしても、です。
換気量の多い少ないことによる不具合は気がつきにくく、換気量測定を実施してないハウスメーカー・工務店が9割以上存在することも書き添えておきましょう。良心的なハウスメーカー・工務店は、設置された機械換気設備の換気量測定を行い、その数値を施主にきちんと渡します。

コスト重視の建売、分譲住宅メーカーが使用する換気設備は、法律違反していない一番コストが安い設備をメーカーのカタログから探せばよいということになっています。
当然ですが、設置後の換気量測定などやるはずもありません。消費者が一番知らない、わからないことをあえて説明しません。でも、考えてみれば、買う側も、自分がどんな家を買いたい、建てたいと頭の中で整理できてないし、勉強もしていないので、住宅の機械換気設備に注意を払うことはありません。
住宅の機械換気設備が必要換気量を確保できずに、換気不足に起因するカビ、ダニ、浮遊粉塵が媒介する病気に家族がかかったとしても、原因が住宅の機械換気設備の性能の悪さだとはわからないでしょう。

室内の空気には色は付いていません。換気設備が違うことでどのくらいの差が出るか瞬時に判断することはとても難しい。怖いのは、室内空気環境が健康に悪影響を及ぼすまで長い時間の経過があり、そして突然現れてくるから始末が悪いのです。
シックハウス症候群を発生させた建材の化学物質を減少させても、換気設備性能の優劣により、換気不足による室内空気汚染が原因の健康被害にあう危険性は残っています。

5.暖房器具にも注意が必要

現在日本の暖房設備で最も普及しているのは、石油ファンヒーターです。ここ30年来変わっていません。住宅の断熱、気密性能が30年前より性能が良くなっても、いまだに手軽で燃料代の安い石油ファンヒーターが圧倒的なシェアを持っています。コストが電気暖房に比べたら圧倒的に安いからでしょうか?自然エネルギーへの転換、原発停止によるコスト負担が重い電気料金はこれから安くなることは期待できません。だからと言って、石油ファンヒーターを使うことで起きる、二酸化炭素による室内空気汚染、発散する水蒸気による結露・カビの問題、一酸化炭素中毒の危険、住宅の気密化による不完全燃焼の危険性の増大などが依然として残っているにもかかわらずです。
それでもあなたは、石油ファンヒーターを使い続けることによる家族への健康被害を無視できますか。


水と空気はただという時代は終わりました。水にお金を出して買う人はどのくらいいるとおもいますか?現在では、ほぼ全員ではないでしょうか。なぜ、空気にお金を出しても買いたいという人がいないのでしょうか?
最近は、室内空気清浄機を買う人が増えました。個別の部屋の空気だけを綺麗にしても役に立ちません。家全体の空気を綺麗にする換気機械性能の優劣で、皆さん家族の、安心、安全、健康が守られるとしたら、機械換気設備性能の優劣を真剣に考える時が来ていると思います。

 



日本輸入換気システム連盟

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