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第8回 「知らないと後悔する、換気システム選びの重要ポイント」

はじめに

日本で新築住宅に機械換気を設置することが義務化されて、既に10年以上が経ちました。ただ残念なことに、換気の重要性がいまだに認識されていないのが現状です。
例えば、換気を選ぶ判断基準はどうなっているでしょうか。
『室内の空気環境を健全に保つ』法律の目的に照らすと、「安い機種で法律さえクリアできれば・・」といった考えは製品選びの判断基準ではありません。それは、住宅会社が製造原価を下げるための原価圧縮方法です。

では、正しい換気システム選びのポイントは?
それを以下の項目に従ってみていきましょう。

  1. メンテナンスを忘れていないか
  2. メンテを怠ると換気不足になる
  3. 換気システムの選択
  4. どんなメンテが必要になるの?
  5. 代表的な機種のメンテナンス
    (ア) 【ファンモーター】
    (イ) 【給気フィルター】
    (ウ) 【排気レジスター・給気レジスター(第1種)】
    (エ) 【ダクト】

1.メンテナンスを忘れていないか

換気システム選びと設計・施工は次のようになります。
20年以上にわたって換気性能を維持できて、清掃・メンテナンス性に優れた機種を選び、その住宅に住むご家族に合わせた換気量を設定し、換気システムの施工後に風量を測定し、必要であれば調整をします。

今後住宅の高断熱・高気密化、耐震化などが進み、戦後から続いてきたスクラップ&ビルドから欧米並みに住宅寿命が長くなるとすれば、住宅メンテナンスとメンテフリー化がとても重要になります。
機械換気についてはどうでしょうか?
答えとしては「機械換気のメンテフリー化」は難しいです。自動車を例にすると、技術が進歩し、自動運転が実現しようとしていますが、自動車本体が機械によって動く以上、整備は避けられません。整備されていない自動車が道路にあふれれば、交通事故の確率が高くなってしまうでしょう。
換気も同様です。機械である以上、整備が必要になります。

換気の選択にあたっては「室内の空気環境を健全に保つ能力があること」に加え、「メンテナンスしやすい」、「長期間にわたって使っていける」ことが換気システムを選択する際の重要なポイントになります。

2.メンテを怠ると換気不足になる

換気システムをメンテナンスしないとどうなると思いますか?
せっかく断熱・気密性能に優れた住宅に長期間にわたって住めると思っていたのに、引っ越して数ヵ月後には非常に健康に悪い室内環境に変化する可能性があります。
メンテナンスが適正に行われないとモーターにホコリがたまってファンの能力が低下したり、フィルターが目詰まりして新鮮な空気が確保できなくなって換気量の低下を招きます。
優れた換気システムが取り付けられていても、室内空気が汚染されるリスクが高まるのです。

よく例に出されるように、人は一日あたり1kgの食べ物、2〜3kgの水分を摂取します。これに対し呼吸の量は一日当たり25〜30kg。また人が室内空間で過ごす時間は、一日の約90%を占めるとされています。室内の新鮮空気が人にとっていかに重要かがわかってもらえると思います。

住宅の高気密化が進むと、室内の空気を屋外の新鮮空気と確実に入れ替えることが重要です。換気不十分な状態が続くと、有害化学物質やCO2の滞留、結露、カビ、ダニの発生を招き、シックハウス、ぜんそく、アトピーなど深刻な健康被害をもたらすリスクが高まります。抵抗力の弱い乳幼児のいるご家庭にとっては絶対に避けたい環境ですね。

換気不足は湿気の滞留を招き、建物にも悪い影響が出る可能性が高まります。
住宅はすぐに建て直すことができません。換気設備も簡単に取り換えられないため、機種の選択が重要になるのです。

3.換気システムの選択


図1:第3種ダクト式セントラル換気のシステム構成

では、このような状況を避けるために、換気システムの選択、メンテナンスはどのようなポイントを重視すれば良いでしょうか?

■住宅の設計段階におけるポイント
1.将来のメンテナンス、更新を意識した換気計画がなされていること。
2.高齢になってもメンテナンスが負担にならないこと(設置場所も重要)。

■機種の選択におけるポイント
1.ダクト方式で確実に給排気量を確保できる機種
2.基本的にはオーナー自らがメンテナンスできる機種
3.長期の使用を前提にメンテナンスしやすい設計になっている機種
4.フィルターやモーターなど、長期的なパーツの供給、パーツの交換が可能な機種

以上のような機種、設置場所、メンテナンスを考慮した換気システムの選択は、一般のユーザーからすれば容易ではないでしょう。なぜなら、ほとんどの人にとって住宅は一生に一度の買い物であり、その住宅の一部である換気システムの選択も初めての経験だからです。
住宅の設計段階を含めて長きにわたってメンテナンスをしながら使用し、「健康的な空気環境を保ってくれる」換気システムを重視するなら、住宅をメンテナンスしながら長きに渡って住み継ぐ住文化が確立している欧米の住宅とともに発展を遂げてきた海外換気メーカーを選択するという考えは如何でしょうか?


図2:第1種熱交換換気のシステム構成例

例えば、厳しい自然環境の中で住宅の高断熱・高気密化が早くから進められてきた北欧のスウェーデンでは、住宅の高気密化に伴い室内の空気環境をいかに良好に保つかが過去に議論されました。結果としてスウェーデンでは日本で新築住宅での機械換気が義務化された2003年より30年も前に機械換気が義務付けられているのです。現在からすれば40年以上も前のことになりますから驚きです。
築30年、40年の住宅の歴史の中で、換気システムも検証され、メンテナンス、機種の更新がされたりして発展を遂げています。そしてこれらの経験は換気システムのノウハウとして現在の製品群に蓄積されています。


写真:メンテを考慮して大きく開く熱交換器本体

実はこのような豊富な経験とノウハウに裏打ちされた海外メーカーの製品が日本で機械換気が義務化される以前から日本国内で販売され、実績があることをご存知でしたか?
以上のように海外メーカーの製品には一日の長があると言えます。換気システムの選択において、ぜひお勧めします。

4.どんなメンテが必要になるの?

具体的にどのようなメンテナンスが必要になるのでしょうか?
初めて機種の選択をする人にとってはイメージしづらいと思うので、下記に一つの参考例としてメンテナンス方法を説明しますので参考にしてください。

5.代表的な機種のメンテナンス

換気システム自体は、とてもシンプルな構造です。
第三種換気システムであれば、ファンモーターと給気口フィルター、排気レジスタ、外部排気フードのお手入れが必要です。
第一種(熱交換)換気システムでは、ファンモーター2個に給気・排気フィルターと排気レジスタ、外部排気フードのお手入れが必要です。
換気システムのメンテナンスを、最低でも年に一回実施しましょう。

【ファンモーター】

シロッコファンの羽根と汚れ※1
※1:イラストは日本建築学会大会学術講演桔概集(2005年9月)「積雪寒冷地域の集合住宅で発生する冬季換気障害の原因について」から

また、本体内に溜まったホコリや汚れが原因で火災発生のリスクも高まります。
(ほぼすべてのモーター付きの電化製品には同様のリスクがあります)

本体はメンテナンスが必要なため、メンテナンスのしやすい場所に設置しましょう。
換気本体のふたを開け、容易に掃除ができるような設置方法をとる事が重要となります。
壁体内や天井内に隠蔽する場合は、必ず大きめの点検口を設置し、本体内及び、ダクト接続口にアクセスできるようにしておく事が重要です。

モーターは消耗品ですので、換気能力が落ちる・本体から異音がするという場合は、モーター交換の必要があるかもしれません。
メーカーによって交換部品の在庫状況が違いますが、廃番になる前にモーター交換をしておく事が長く使うためのヒントになります。


写真:金属製熱交換素子の清掃

詳しくは、お使いの機種のメンテナンスマニュアルをご参照ください。

【給気フィルター】


写真:第1種熱交換換気の給気フィルター※1

第三種換気システムの場合は、おおよそ各居室に1つ給気口があると思います(1軒の住宅に6個から7個程度)。
第一種換気システムの場合は、換気本体にフィルターが2枚あります。

フィルターにも沢山の種類がありますが、掃除していないフィルターは、フィルターに汚れが付着し、空気の流れをストップさせてしまいます。空気の流れが止まると室内空気がよどみ、結露やカビ発生の原因になるので、各社で発行しているユーザーマニュアルに従って、決められた期限内で交換を行って下さい。


写真:熱交換換気本体の給気側フィルター交換

一般的には、細かい粒子を捕集する性能が高いフィルターは、洗浄や掃除ができません。交換が必要になります。
(細かい繊維に微粒子を取り込むため)

【排気レジスター・給気レジスター(第1種)】

ヨーロッパの換気システムには、排気レジスターや給気レジスターに風量を調節する機能が付いています。
この部分を掃除しないで長期間使うと、調整機能が働かず、設計通りの風量を出す事ができなくなり、換気不足を招きます。
メーカーによっては、風量調整機能が本体近くに設置されているモデルもあります。各メーカーのマニュアルに従って、掃除をしてください。
風量の設定値が狂わないように、レジスターの場所と各々のレジスターの設定値を記録しておく事をお勧めします。
第三種換気のレジスター等は、デザインやフィルター種類の開発が常に行われていますので、新しい技術を持ったレジスターに交換を検討する事もできるかもしれません。


写真:排気レジスターと汚れ

【ダクト】

ダクト内の汚れは、取り除く事が非常に難しく、事前に汚れが溜まりにくいダクトを採用することが重要です。
換気先進国のスウェーデン等では、配管内を掃除できるように換気システムのダクトに点検口を付けてメンテナンスをするケースもあります。

日本の住宅ではそこまでの管理は現実的ではないかもしれません。なるべく汚れが溜まらないように事前の計画をしておく事が必要になります。
ダクトの内径(ダクトの断面積)と、風量には密接な関係があります。ダクト内に汚れがたまると換気風量を落としてしまい、換気能力を落としてしまうことになります。
(この記事も読んでみてください)http://www.jvia.jp/column/igi_4.htm
ダクト径が大きいほうが、ダクト径が小さい場合より、ダクト詰まりのリスクが軽減されます。

空気質にこだわって設置したせっかくの換気システムですから、正しいメンテナンスで安心して長くお使いいただけるよう、JVIAではバックアップしています。

以下、御参考までに各会員の機種のマニュアルです。
アルデ 
http://www.arude-jp.com/arude_now.html
ガデリウスインダストリー(換気システムの項目にフィルター交換の動画や取扱説明書があります)
http://www.livingscandinavia.com/download/
ジェイベック
http://www.jbeck.co.jp/manual/index.html
日本住環境                           
http://www.njkk.co.jp/maintenance/index.html
日本スティーベル(ページ中段にフィルターについての記載があります)
https://www.nihonstiebel.co.jp/products/air_conditioning/lineup/index/first_kind/lwz/filter/


熱交タイプ排気側フィルター交換
写真:熱交タイプ排気側フィルター交換

 



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