住宅換気コラム

空気汚染は目に見えない.だからリビングにCO2モニターを! 第17回

JVIAは、二酸化炭素測定器(CO2モニター)をご自宅に1台設置することを推奨します

新築やリフォームした家に入ると目がチカチカする、鼻水がでる、のどの乾燥や頭痛が起きるなど人によってさまざまな症状を引き起こす「シックハウス(症候群)」を防ぐため、平成15年(2003年)に建材規制と24時間換気設備の設置が義務化されました。それ以降、シックハウス被害は徐々に減ってきたと言われています。

それからおよそ20年以上が経過し、省エネルギー・カーボンニュートラルへ向かって気密性が高くなってる最近の住宅では、特に換気不足に気を付けなければいけません。また、24時間換気は新型コロナウイルスという新しいウィルスへの感染防止対策として、再び注目を集めています。

住宅の換気は、室内にこもりがちな空気を外気と入れ替えることでいつもキレイに保つために必要です。中でもファンを使う機械換気は、最小限の電気代で冷房や暖房のムダを抑えながら空気を入れ替える方法として、世界中の住宅やビルで使われています。その基準が2時間で家中の空気を1回入れ替えること、これを法律では[換気回数0.5回/h以上]と表現しています。

法律に規定された設計通りの換気量が確保されているかどうかは、測ってみなければわかりません。しかし、法律は測定まで義務づけてはいません。それでも測定しようとすれば、専用測定機による有料測定となり、費用がかかるため、実施しないケースがほとんどです。

換気しても、空気がキレイとは限らない

さらに大切なのは、換気量は確保されていたとしても、室内の空気がキレイじゃないこともある、という点です。

給気が何らかの理由できれいな空気ではない、というのがその一番の理由です。

換気の善し悪しは残念ながら体感しにくい上に、体調が悪くなっても原因が換気不足であることに気がつきにくい傾向があります。温度・湿度や臭いと違い、例えば二酸化炭素、窒素酸化物濃度などが増えても、人は体感できません。

では、どうすれば換気の本当の目的である『キレイな空気質の維持』ができるのでしょうか。 住宅用換気システムをいち早く日本に紹介し、その必要性を広めてきた当連盟(JVIA)は、ここに提言します。

『JVIAは、二酸化炭素測定器(CO2モニター)をリビングに1台設置することを推奨します』

二酸化炭素濃度は、室内の空気がキレイかどうかを測る目安として、ビルなどで指針値が設けられています。住宅内の目安としても大いに役に立ちます。

リビングに二酸化炭素測定器(CO2モニター)があれば、ルスのときと比べ、家族が集まったとき、換気が止まったとき、CO2濃度がどのくらい高くなるかを知ることができます。

外気のCO2濃度は、極端な場合を除いて都市部でも農村部や離島等でも安定していますし、住宅地では全国どこもほとんど差はないようです。すなわち、室内のCO2濃度を測れば空気がしっかり換気されているか、汚染されているかがわかります。


  • 外気のCO2濃度目安:400ppm
  • キレイな室内空気の目安:400~1,000ppm
  • 二酸化炭素測定器の価格目安:1万円前後

なお二酸化炭素測定器の精度は、2021年11月に経済産業省より「ガイドライン」が発表されました。ガイドラインでは『NDIR方式※』の機器を推奨しています。

※:検知原理が光学式を用いたもの・補正用の機能が測定器に付帯している。

時計や室温計のように、どこの家庭にも空気質をモニターする二酸化炭素測定器を設置してください。『高性能』「省エネ」といった“換気設備の売り文句”を信じるだけでなく、住んでからNDIR方式のCO2モニターを設置して、空気の質を確認してください。 あなたとご家族の健康を守るのは、空気の質をチェックする二酸化炭素測定器です。