住宅換気コラム

コラム第1回 “ダクトレス換気システム”って何なの?

1. 個別換気の悲しさ
今回のシックハウス新法では、第三種換気(自然給気・機械排気)を行う場合、自然給気口を設置する事が義務づけられていますが、ダクトレスファン(壁掛けファン)の構造が屋外排気と一体になっているので、ファンは居室の建物外周面にしか付けられません。自然給気口は当然、建物外周面に設置するわけですから、給気も排気も外周面につくことになり、理想的といわれる対角線に空気を流すことが難しくなります。つまり換気計画も換気効果も問題がとても多いのです。

2. 設置場所はすべての居室?!
ダクトレスファンの設置場所が、建物外周面に限定されることにより、換気計画と換気量を考慮すると設置台数が多くなり、イニシャルコスト・ランニングコストともに経済的ではありません。さらに付け加えると、設置台数が多くなると隙間も多くなり、冬場の寒さが心配です。

セントラル換気は空気の流れを作る

3. 音の問題は大丈夫??
ダクトレスファンは個別換気なので、換気量はファンごとに強・弱の2段階で設定するのですが、細かい設定ができないので換気量が多くなりがちでランニングコストが高くなり、騒音問題も出てきます。さらに、隣接するファンがそれぞれ計画どおり換気していないと、最悪の場合、ファン同士が干渉して換気量に悪影響を及ぼす可能性も出てきます。